最近の学生さんに顕著な傾向であり、それでいて、就活において致命的なコト。それが何だかわかりますか?


TwitterとLINEの弊害

とりわけここ数年の学生さんの傾向として、人との連絡手段をLINEとTwitterに依存しすぎているという問題点があります。

もちろんこれらのSNSは便利ですし、楽しいですし、その点を否定するつもりはないですよ。


では、何が問題なのか?


ズバリ言うと、「文章を書くことができなくなること」、もっというと、「ストーリーを作ることができなくなること」です。これ、就活において、致命的ですよ。

なぜ致命的な問題なのかは、この後すぐに書きますが、まずは、何が原因か。


それは、先に書いたように、TwitterとLINE漬けの生活をしてしまっていること。そして、そのこととも関係しますが、長い文章を書く機会が極端に少なくなっていること、また、本を読む機会も時間も少なくなっていること、です。



TwitterやLINEが普及する前には、ブログやmixiで情報発信をする人の率が圧倒的に高かった時代があり、多くの学生が、それなりに長めの文章を日々書いていたんです。

それが、今や、Twitterでは長くても140文字。実際にそこまで長く書く学生は少ないので、たいていは数十文字だけで、情報を発信する。

LINEでも、Twitterと同じ程度の字数でしか書かないことがおおく、さらには、スタンプのみの会話


これでは、まともな文章を書く能力は破壊される一方です。


さらに言うと、とりわけLINEは、ユーザーをできる限り長時間しばりつけることを意図して設計されています。

学校やバイトに行ったり友達と遊んだりして、その後家に帰ったら、本来は、自分の時間。しかし、今の学生さんは、家に帰った後まで、LINEにべったり貼り付きっぱなし、という生活をしてしまいがちです。というか、そう仕向けられているんです。これ、アプリ提供側の思うツボなんですよ。



それで楽しいなら、それはそれで良いと思いますが、それによって失うものの大きさも自覚しておくと良いでしょう。



以下、就活における問題点と対策を書いていきます。


就活における問題点1

さて、以上のことが、就活においてなぜ問題となるのか。

みなさんご存知の通り、就活では、ESを作成しなくてはなりません。

締め切りまでに入念に準備して提出できる場合ならともかく、企業の個別説明会に参加したら、いきなりその場でESを書かされたという例も今年はかなり多いようです。

事前にある程度のパターンを自分の中で用意していたとしても、字数が全然合わなかったり、想定外の質問があったりすると、いわば即興で文章を書くことになります。


文章を書きなれている人なら、なんてことのないものです。スラスラッと書けることでしょう。

しかし、「数十字以下のコミュニケーション」に慣れきってしまっている人たちにとっては、致命的なハードルとなっているようです。

(もっとも、本人たちは、残念なことに、自分の書く文章がまともな文章になっていないということを、自覚すらできないケースも多いらしいですけれど。なぜならば、普段からまともな文章をあまり読まないで生活しているため、どのような文章がまともか、まともでないのかを、きちんと判別できないのです。)


いくら面接ウケに自信があっても、文章がめちゃめちゃで、面接前の段階でご縁がなくなってしまったら、どうしようもないですよね。



就活における問題点2

問題は、ESだけではありません。面接も、です。

長い文章を書く能力というのは、つまり、いわばストーリーを作る能力です。

そしてそれは、ストーリーを語る能力の前提です。


つまり、「数十字のコミュニケーション」しかできなくなっている学生は、面接の場でも、まとまった話をきれいに話せないことが多いんです。


本人はその自覚が全くなくとも、聞き手(=面接官)にとっては、

・支離滅裂
・話が行ったり来たり
・わかりにくい
・オチがない、または、しめくくりがない
・話の内容が流れるように頭に入ってこない

という、とんでもなくつまらない話を聞かされることになるんです。話の内容を理解するために、なぜか聞き手の側が努力を強いられることになるんです。


これは、社会人として求められるコミュニケーション能力(これは、笑顔でおしゃべるする能力と同義ではない)、という点からすると、本当に致命的なんですよ。


今からできる対策

(1)Eメールによるコミュニケーションを増やしましょう。

ゼミでもインターンでもなんでも良いので、なにかにかこつけて、きちんとした文章を作成して目上の人に送る、といった機会をとにかく増やしていきましょう。

(※どこかの謎の就活アカでは、「メールは箇条書きで書きましょう」などというとんでもないアドバイスをしていましたが、そんなの論外ですよ。いいですか、論外です。社会人で箇条書きでメールを送ってくるアホは、私は1人も知りませんからね。)



(2)ブログを作成する、そして、それを友達に読んでもらいたければTwitterと連動させる、といった方法もとても有効です。

つまり、「今日のできごと」などを1ツイートの長さではなく、ブログ記事の長さでまとめるんです。それも、読み手が興味を持ってくれそうな書き方でもって。



(3)ブログを立ち上げるのが面倒ならば、せめてFacebookで、ツイートよりも長めの投稿をするクセをつける、など。

(※Facebookは、くれぐれも、非公開設定(友人のみ公開という設定)にしましょうね。企業の人事は、即、SNSを検索するものだと思っておいてください。)



(4)アウトプットだけではなく、インプットも。つまり、読書もしましょう。

まともな文章を読まない人が、まともな文章を書けるようになるわけがありません。言うまでもないことですよね。



以上、簡単にできる対策は、ざっとこんな感じです。


大人の目からすれば、TwitterやLINEって、中毒性のある危険なモノなんです。忙しい社会人は、それらを使う時間も限定されるので、必然的に、そうしたSNSと適度な距離をとる、ということをしやすくなります。

しかし、学生さんは、そこの距離感を意識しないまま、どっぷり浸かりすぎている、つまり、完全中毒状態になってしまっている、といった状態の人が、多すぎるように感じます。

これほんと、もったいないことなんですよ。TwitterをLINEをやめるべし、などという話では決してないのですけれど。もう少し、SNSと自覚的に距離を置いて、自分と向き合う時間を増やし、本を読む時間を増やし、そのことを適度な長さの文章でアウトプットする、という機会を作りましょう。


これをちょっと頑張るだけで、就活にも、さらには社会人になってからの評価にも、大きく影響しますから!!


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