以下の言葉、就活の現場で聞かない日はないどころか、けっこうな高確率で耳にします。

●この会社に興味を持った理由として:
・研修制度が充実しているから。
・社員の方々が親切で、仕事を優しく丁寧に教えてくれそうだから。

●仕事への抱負として:
・教えて頂ければしっかりとできるようになります。

●学生からの逆質問として:
・研修制度は充実していますか?
・研修やスキルアップの機会はどのくらいありますか?


以上の言葉に共通して言えることは何か、わかりますか??


「しっかりと教えてもらって成長していこうという、高い意識の表れ。」でしょうか?


たしかに、大手の就活サイトなどでも逆質問の良い例として、「研修やスキルアップ~」を堂々と掲げられています。

でも、本気でその通りだと思っている人は、考えを少し改めた方が良いかと思います。


これらの言葉、本人は意識高そうに見せているつもりでも、実はとんでもない自爆なのです。

それは、なぜでしょうか?



教えてもらわないとできない人は、要りません


その理由は、ざっと3点挙げられます:

(1)職場の上司からすれば、手間がかかるから。

(2)成長スピードが遅いから。

(3)「会社=自分の成長のための手段」であるととらえているから。(※少なくとも雇う側は、あなたの労働の方こそが、会社が利益をあげるための手段である、ととらえていることがほとんどです。)



面接官にこのように思われるのは、致命的ですよね。あなたは、お給料以上の利益を生み出すべき存在として雇って頂きたい、とお願いしている側ですから。


上の方々から教わる、という謙虚な姿勢自体は良いことですよ。

でも、何でも教えてもらうものという、受け身というか、ずうずうしいというか、そのような姿勢は、ダメです。会社は、学校ではありません。あなたは、会社からお給料を頂く立場だということをわきまえましょう。



「教わる」よりも、「学ぶ」


「上司の背中から学びなさい!」 とまではいかなくとも、常に、自分から学び取るという姿勢でいることが重要です。

他人から教えてもらうのではなくて、自分で学ぶんです。

これを謙虚に表すなら、周りの方々から学ばせて頂く、ということなのです。



今の学生の世代には、「わからないことは、誰かが手とり足とり教えに来てくれるものだ」と信じて疑わない人が多いようですが、社会人になる前に、いえ、就活が始まる前に、というか、今すぐ、このような幻想は捨てましょう



各社でも、「近頃の新入社員(若手社員)は・・・」という愚痴は絶えません。どの時代にも必ず聞かれる愚痴ではありますが、ここ10年くらい、増える一方のように感じますし、その内容に、「なんでも教えてもらうのが当たり前」、「丁寧に細かく教えてもらわないと何もできない」というようなものが極めて多いというのは、やはり今の時代の特徴です。


他にも、大学で教えている友人から聞いて驚いたのは、学期の初回の授業後に、「授業中に、レジュメのどこに線を引けばよいか、その都度教えてください」と聞きに来た学生がいる!ということ。

その学生に、「自分で、”ここが重要だ” と思ったところに好きなように線を引けばよいのではないでしょうか。」と答えたところ、とても不満そうに去っていったそうです。どこに線を引くのかも、自分で考えられず、教えてもらうのが当然、という姿勢。


それから、最近はやりの「受験サプリ」。

利用者である生徒(高校生)の苦手分野がどこかを個別に分析して示してあげて、その対策としてどの動画を見て勉強すべきかというところまで教えてあげる、大変便利なツール。

しかし! 受験勉強するにあたって、自分の得意分野・苦手分野くらい、自分で分析しましょうよ。 どのように勉強すればできるようになるかなんて、自分で調べて考えましょうよ。 少なくとも私は、そうしてきましたよ。たまに塾の先生に相談するくらいはしても、まずは自分で調べて考える。

受験サプリのようなツールに頼ってしまうと、目先のテストの点数だけは上がったとしても、考える力、具体的には、問題発見能力、問題解決能力が身につかないまま大人になってしまいそうで、怖いですね。そう考えると、成績を上げるためには一見便利なように見えるこのツールは、「完全受け身型人間量産ツール」なのかもしれません・・・



今の社会人たち、とりわけ、ゆとり世代よりも上の各世代の人たちは、このような傾向(なんでも教えてもらうのが当たり前という姿勢の学生があまりにも多すぎる)に、半ば諦め状態ではありますが、それでも、この傾向を良く思っている人は、皆無です。


ですので、冒頭に挙げたような言葉は使わないようにしましょう。

もし同じようなことを言いたいのであれば、教えてもらうという姿勢ではなく、自分から学ばせて頂くという姿勢を意識的に打ち出しながら、言うようにしましょう。

それだけでも、面接官に、ぐっと良い印象を抱いて頂けると思いますよ!